日本でプーアル茶は健康茶としも親しまれています。
おいしい!と言って飲むことはもちろんですが、プーアル茶の効果を期待して飲む方も多いのではないでしょうか。
プーアル茶は研究により健康面への効果が発表されています。
ここではプーアル茶に含まれる健康によいと言われる成分と効果・効能についてご紹介したいと思います。
健康・アンチエイジング
プーアル茶に限らず、お茶には抗酸化作用物質が豊富に含まれています。
この細胞の老化を防ぎ、若々しい体を保つなど嬉しい効果がたっぷりの抗酸化物質はなぜ生まれるのでしょうか。
茶葉が日光に晒されると、日光の紫外線などで酸化(=老化)が進みます。それを防ぎ、葉を若々しく保つために生み出されるのが抗酸化物質です。
ポリフェノールやタンニン、茶カテキンなど、お馴染みの成分は抗酸化物質の一種です。
生き物は(正確には、酸素を使って生きる生物は)酸素を吸って大きなエネルギーを生み出し、成長することができます。しかし、呼吸するたびに体内で活性酸素がどんどん生まれ、細胞を傷つけます。紫外線などでも細胞は傷つき老化します。
我々はエネルギーを得る代わりに老いる宿命を背負っているのです。
それは生きていく上で避けられない宿命ですが、生物は傷ついた側から治す、防ぐという方向に進化しました。
抗酸化物質が含まれる食品を摂取するのも生体防御機構の一例です。
ぜひ日々の生活にこれらの成分を取り入れて体の老化を防ぎたいですね。
没食子酸の抗酸化作用
カテキンなどは緑茶にも含まれますが、プーアル茶が豊富に持つ独特の抗酸化物質が没食子酸(ぼつしょくしさん)です。
プーアル茶は放線菌や酵母菌などの働きで発酵させる特殊なお茶です。お茶の渋み成分、タンニンが発酵すると酸化が進み、分解することで没食子酸が生じます。
タンニンは渋み成分で味を悪くしますが、没食子酸が生じると渋みは消えます。没食子酸はポリフェノールの一種、抗酸化作用が高い物質で体内の老化を防ぐ効果が期待できます。
プーアル茶を飲んでも渋さを感じないのは没食子酸のおかげです。
抗菌・歯を強くする効果も!
プーアル茶にはフッ素も含まれています。フッ素といえば虫歯予防でお馴染みの成分ですね。
フッ素には歯や骨を頑丈にして、歯の再石灰化を促して虫歯を防ぐ効果が期待できます。フッ素入りの歯磨き粉で歯を磨くのも良いですが天然のフッ素が入ったプーアル茶を毎日飲むと、同様の効果が期待できるのです。
さらにプーアル茶には細菌性下痢を起こす細菌にも効果があることが分かっています。細菌に多く晒されるお子さんの健康にも大いに役立ちます。
小さな子だとお友達同士で風邪を移し合いすることも珍しくありません。毎日プーアル茶を飲むことで細菌性の風邪を防ぐ効果が期待できそうです。
ぜひご家族でいっしょにプーアル茶を取り入れてみませんか。
不調の改善‐胃もたれ、便秘解消
プーアル茶の効果でよく言われるのは便秘が改善する、胃もたれが良くなるなどの効果です。
あまり大量に飲むと胃が重くなることもありますが、プーアル茶は後述のリパーゼ酵素の働きにより脂肪を溶かし消化吸収を良くすることができるお茶と言われています。
食事中や食事後に適量飲むことで消化を促進させ、胃もたれを軽くします。
体を温め腸を活性化
なぜプーアル茶は便秘に効果が期待できるのでしょうか。
アイスコーヒーやアイスクリームばっかり食べていると夏でもどんどんお腹が冷え、便秘や下痢など様々な悪影響が出てきます。腸は体が冷えるとどんどん動きが鈍くなるのです。
プーアル茶は体を温める効果があると言われています。HOJOで取り扱うプーアル茶は、肥料を使わず育てた自然栽培茶です。これら上質なプーアル茶には豊富なミネラルが含まれ、これが血流を改善します。全身がホカホカ暖かくなり、顔が赤くなってくるほどです。
このような上質なプーアル茶は体を芯から暖め、腸を活発に動かす原動力となります。腸が動けば冷えが原因の便秘は解消されていくでしょう。
消化酵素リパーゼが消化を促進
プーアル茶は普通の茶葉が発酵することで作られる特殊なお茶です。
発酵の過程でカテキンから没食子酸が生まれ、脂質を分解するリパーゼも生成されることが分かっています。
胃薬の成分で有名なリパーゼは自然界にも存在し、プーアル茶は中でもとても身近な存在です。わざわざ薬を飲むよりもお茶でリパーゼを摂取したほうが体にも優しく、より安全ではないでしょうか。
ぜひ食べ過ぎる年末年始や宴会が多いお父さんにも勧めたいですね。
リラックス効果
プーアル茶は深いリラックス効果も期待できます。
体が暖まるとそれだけでも緊張がほぐれ、リラックスできますがプーアル茶の効果はそれだけではありません。
プーアル茶には2種類あり、日本で流通しているものの大半は「熟茶」と呼ばれる発酵茶です。お茶に発酵を促す菌を合わせ、湿度を入れて発酵させたものです。たいして中国で多く消費されているのは「生茶」です。菌の力を借りず、作られます。
プーアル生茶は花のような香りを放ち、これら2つのお茶は全く違う香気を放つお茶です。
お茶を煎れる前から良い香りがするので、飲む前の香りを楽しんでもリラックス効果が期待できます。また、HOJOのプーアル茶は完全無酸素のパッケージとなっています。数年経つと徐々に香りが変化し、味にまろやかさが出てきます。
味わいの正体
プーアル茶の味わいの正体は何でしょうか。様々な物質が影響していると言われています。
抗酸化作用のあるポリフェノール、甘味成分のテアニン、渋味成分のカテキンやカフェインなどが複雑に入り組み、独特の味わいを生み出します。
特にプーアル熟茶はカテキンが重合カテキンという渋みを感じない物質に変化しています。他のお茶にはない円やかな風味はこの変化によるものです。
これらの効果は自然栽培茶だとより効果的
プーアル茶と一言で言っても産地、栽培された環境、気候などで風味は大きく変わります。
お茶の木は肥料を与えると大きく育ちます。しかし栄養たっぷりに育てた茶葉はサイズが大きいばかりで甘み成分が少ないのが特徴です。収穫量は上がりますが味わいという点ではいま一つ。甘味やコクが少ないお茶になりがちです。
HOJOで扱うプーアル茶の多くは自然栽培茶や野生の木から採取したお茶です。しかも年に一度だけ採取することがほとんどです。
自然栽培のお茶は肥料を与えた茶葉に比べるとずっと小さく、淡い色合いのが特徴です。一見すると頼りなさげに見えますが、ミネラルやポリフェノールがギュっと詰まっています。
栄養が乏しい厳しい環境でゆっくり時間をかけて育った茶木だからこそ、プーアル茶しか出せないコクと味わいが生まれるのです。
もちろん農薬汚染もありません。健康と味を気にするなら大自然の中で育つ自然栽培茶がお薦めです。
また、上質の春茶にはもともと渋味はありません。強い渋味はお茶の美味しさを邪魔しますが、渋味がない上等な春茶ならお茶の美味しさを存分に楽しめます。
プーアル茶のイメージが「健康茶」から「美味しいお茶」「嗜好品」に変わること間違いなしです。
出典 : 黒茶―微生物発酵を取り入れた茶
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/51/7/51_7_323/_pdf