お茶の品質を決める非常に重要な要素の1つが茶園の標高です。その割に、世の中では茶園の標高が余り注目されてないように思います。例えばプーアル茶や鳳凰単叢烏龍茶の場合、樹齢が過度に注目される割に、標高が軽視されております。ただ、実際に飲み比べをしてみると、標高は無視できないレベルで品質に影響を与えます。
なぜ高い標高は良い品質のお茶を生み出すのでしょう?
人はは昼も夜も酸素を吸って二酸化炭素を排出しますが、植物は昼間は二酸化炭素を吸い光合成を行うことで澱粉などを合成し、酸素を排出します。一方、植物は夜になると酸素を吸い二酸化炭素を排出し、成長しようとします。つまり、昼間は生産者として成分の合成を行い、夜は消費者として消費をし成長します。
この為、昼の生産量をを向上し、夜の消費活動を抑えたら、お茶は成分を豊富に含み、豊かな味わいになります。実は高山における条件はまさにこれにピッタリなのです。
昼は太陽光が強く夜は冷える高山の気候
標高の高い茶園の場合、太陽光が強く、より効率的に光合成が行われます。標高が高い地点は、夜冷え込むため、また、酸素が薄い事も起因して、植物の呼吸(酸素を吸って二酸化炭素を出す)は遅くなります。結果、お茶の成長が非常に遅くなり、昼間蓄えた成分をあまり消費しないため、お茶は味も香りも豊になります。
但し、肥料を大量に与えてしまった場合、標高が高い地点でもお茶の成長が加速されるため、高い標高による品質へのメリットは半減してしまいます。
私は鳳凰単叢烏龍茶や雲南省のお茶を仕入れる際は、標高を非常に気にしております。標高が高い茶園で作られたお茶は、味が濃厚で、クリーミーな食感と、厚みのある香りが感じられ、体に染み入るような美味しさがあります。