佐渡島の渡辺陶三氏作の急須・茶壺・宝瓶類が入荷しました。今回は無名異上赤土と野坂粗土還元の茶器が入荷しました。
無名異上赤
上赤は佐渡島の陶土中でも最も稀少で、入手が非常に困難な土です。
上赤土は佐渡金山の坑道の中から回収された土で、鉄分を多く含み、非常に赤く、天然の岩盤で濾過されているために非常に細かな粒度によって構成されます。
中国ではその昔、朱泥が止血剤として使用されておりました。1596年に漢方医学者の李時珍が本草網目と言う名の漢方薬一覧を再編しておりますが、その際、「赤土」を呼ぶための適切な名称がないことに気がつきました。何度考えても適切な名称が浮かばないため、やむを得ず、無名異、つまり、「名前がよく分からない」という名称を用いたと言われております。
江戸時代、日本では中国より「無名異」を止血剤として輸入しておりました。ところが、佐渡の金鉱から産出される朱泥に同じような止血効果があることが発見されました。見た目も非常に似ていることから同じく「無名異」と呼ばれるようになりました。この坑道から発見された朱泥こそ、上赤と呼ばれる土なのです。
無名異上赤とお茶との相性
茶器は材質によってお茶の味を変化します。無名異上赤は後味を濃くすると同時にふくよかさも高めます。
ただし、ふくよかさは強すぎず、程良く広がりを付与するため、お茶の香りが上品に感じられ、また、味に濃さが感じられます。
基本どの種類のお茶とも相性が良いですが、特に緑茶との相性が良く、また、烏龍茶、プーアル茶、白茶等にもお勧めです。
紅茶も美味しくはいりますが、より香りの華やかさを高めたい場合は、秋津無名異や、以下で紹介する野坂土がお勧めです。
以下販売ページです。
https://www.hojotea.com/item/tozo_joaka.htm
野坂粗土還元
佐渡島の野坂と言う地域にある黄色をした原土です。
中国における朱泥と非常に類似した外観、性状をした土です
渡辺陶三氏は自ら土を採掘し、自前で精製した後に作陶に使用しておりますが、現在掘り出している野坂土はお茶の味を極めてふくよかにします。
この土は味香りの広がりを高めるため、香りが華やかに感じられ、紅茶や烏龍茶をはじめとする発酵茶との相性が良い土です。日本茶との相性も良く、この急須を使うことで、香りに広がりが付与され、非常に華やかな飲み味をお楽しみ頂けます。
以下販売ページです。
https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm