プーアル茶は一般的に緊圧され、餅茶という塊になって販売されているのが一般的です。実際どのように崩して飲んだら良いか説明したいと思います。
緊圧されている理由
プーアル茶が圧縮されている理由ですが、1つは体積を小さくすることで持ち運びを容易にするという目的があります。事実、散茶の状態だと、非常にかさばるため、熟成のために保存しようと思った場合、非常に場所をとります。
2つめの理由ですが、圧縮する事で内部の空気(酸素)を完全に除去し、お茶を無酸素下にて熟成させる目的があります。昔のプーアル茶は非常に硬く圧縮されており、内部の空気が完全に除去されていたことから、熟成させた際にフルーツのように甘い香りを形成しました。近年のプーアル茶はより扱いやすくするために、ソフトに圧縮されており、そのまま熟成させた場合、お茶は劣化してしまいます。HOJOでも、ソフトな圧縮でお茶を仕上げておりますが、包装時に脱酸素剤を同梱することで内部の酸素を除去しております。
第3の目的ですが、圧縮した方が熟成速度が早くなります。圧縮によって、染み出したポリフェノール(カテキン類)がお互いに混じり合うために、ポリフェノール間での酸化反応が起こりやすくフルーツの香りが生じやすい事が分かっております。(因みに、無酸素状態でも酸化は起こります。)
まとめて崩さず飲む分ずつ崩すのがポイント
上記の理由により、餅茶は必要以上に解体することはお勧めしません。飲むのに必要な量づつ解体することで、残りの茶葉は餅茶の状態に留めてください。そうすることで、酸素に触れる茶葉の面積が少なく、鮮度をより長く維持できます。もちろん、ヒートシーラーを所有し、自分で脱酸素剤をいれることが可能な人は、事前に崩し、再度、脱酸素状態で封をしておくのも有りです。
出来るだけ茶葉を折らないことがポイント
餅茶を崩す上で重要なポイントは、出来るだけ茶葉をおらないようにすることです。よく、崩したお茶をバリバリと手で折っている人を見かけますが、その場合、お茶をいれた際に細切れの茶葉となり、雑味が出やすくなります。したがって、折ったり、切断するのではなく、茶葉を剥がしとるように解体することがポイントです。以下の写真の様に一本一本の茶葉が折れずに残っている状態が理想です。
餅茶の崩し方
餅茶を崩す際ですが、硬いナイフや千枚通し、キリなどを使用します。実際の崩し方ですが、側面からナイフや千枚通しを差し込む方法と、真ん中にある凹みの縁を利用して放射状に剥がしとる方法があります。意外に真ん中の凹みを利用する方法は力が入れやすくて作業しやすいと感じております。詳しくは以下の動画をご覧ください。