今年も鳳凰単叢烏龍の仕入のために潮州経由で鳳凰鎮に1週間ほど滞在してきました。今年のお茶の状況と、仕入れたお茶の内容に関して簡単に紹介いたします。
今年の質は例年並み後味は強め
他の産地と同様に今年の春は産地の温度が低く、お茶の成長が遅れました。遅い時期まで温度が低かったために、例年のお茶と比較すると全体に余韻が長いお茶になっている印象を受けました。また、2017年は全体に雨が少なかったこともあり、香りの点では例年並みでした。今年は蜜蘭香が特に良い香りに出来上がっており、非常に満足の行く内容のお茶を仕入れることが出来ました。ここ数年品切れになっていた「蜜蘭香の清香型」も仕入れることが出来ました。
今年も単株烏龍茶を数種類仕入れ
特定のお茶の木一本から収穫されたお茶は鳳凰烏龍の中でも特に高級なカテゴリーのお茶です。私は今年も単株烏龍茶についても仕入を行いました。非常に大きな老木を選んでいるため、品質が極めて良く、プーアル生茶のような強烈に深い余韻が感じられます。今年はベイキングの方法も改善をし、香りも非常に満足の行く内容に仕上がりました。
昨年仕入れた地元の人々の間でも有名な文種単株ですが、当初、今年は入手が出来ない言われておりました。ただ、奇跡的に今年もう一年、所有者である文氏が販売を許可してくれ、全量を仕入れることが出来ました。私のお付き合いのある生産者と文氏は友人関係にあり、一昨年に文種の木が枯れそうになったのを助けた恩で特別に2年間固定価格で販売して貰っているそうです。有名な老木と言うこともあり、既に3倍の値段を出すという人も出ており、来年からは入札に出されることになっております。入札に出ると、かなりの高値がつくため、私が仕入れられるのは今年が最後になりそうです。
珍しいお茶も幾つか仕入れました!
今年は2本の単株のみから収穫された鳳鳳凰烏崠老欉鴨糞香や3本の老木のみから収穫した鳳凰烏崠老欉宋種を仕入れました。これらのお茶は単株ではない物の、特定の老木のみから収穫されたお茶と言うこともあり、非常に質が高く、その割に値段が単株ほど高くないため、大変お勧めのお茶です。その他にも、芝蘭香、姜花香など新しいラインアップを数種類仕入れました。今後、農薬の分析を中国と日本で行った上で輸入を行うため、実際にお茶が入荷するのは2ヶ月後くらいになりそうです。